未婚のままでいたい。まだ結婚したくない。

こんな30代、40代の男女が増えている原因の一つとして、自分の両親を見て育ってきているからという意見があります。

30~40代の両親というと、ちょうど団塊世代であり、忙しい時代を過ごしてきた方たちです。

男性は仕事ばかりの毎日で、子供とは日曜日に会えるくらい。

女性は「良き妻」「良き母」となる事が人生なのだと教え込まれて、日々誰にも評価されずに、1人で子育てと家事をこなしていく。

苗字まで変わり、「〇〇さんの奥さん」「〇〇さんのお母さん」と代名詞で呼ばれるようになり、いつしか自分はいったいどこに行ってしまったのかと、自分を見失う人も多かったと思います。

旦那さんが忙しいため、日々ある自分の悩みもまともに聞いてもらえない。

お互い忙しい中で、一緒にいる時間も少なく、「本当にこの人が自分の配偶者なのか、家族なのか」という想いがふっと沸く。

子供の理想になれない現実

お父さんは仕事ばかりでいつも疲れている。会いたくてもたまにしか会えない。会ってもイライラしていてすぐ怒られる。

お母さんもいつもため息。しょっちゅうお父さんの愚痴をこぼす。いつも遊んでいる子供たちをうらやむような言葉をかける。

2人が愛し合って楽しんでいるようには到底見えない。それどころかいつも喧嘩や、ひどい場合は一方的なDV。

そうなってくると子供にとって、これが結婚生活なのか、これが大人の人生なのかと落胆します。

ピーターパンシンドローム(症候群)という言葉があります。

いつまでも子供でいたいと思い続け、大人になっても立派な社会人として生きて行こうという意欲が沸かない人たちの事です。

こういう人たちを大人は「甘い」と一喝しますが、僕には気持ちが分かります。

何の生きがいもなく生きているように見える両親の元で育てば、そうなってしまうのは当然なのではないでしょうか?

結婚したら大変な人生が待っている。結婚は人生の墓場なんて言葉もある。

それならば1人で気楽でいたい。人生を楽しみたい!そう思う人も多いのではないでしょうか?

もちろん独身で楽しい事もいっぱいあるでしょう。お金も時間も自由です。

しかしそれでも結婚の本当の幸せを知って欲しいと私は思います。

仮面夫婦が減っている

現代の結婚事情は少しずつ変わってきています。それは離婚率の増加です。

日本での離婚率は昔に比べ増加しており、3組に1組は離婚しているという統計があります。

しかし欧米での離婚率はさらに高く、アメリカでは2組に1組の割合で離婚するのです。

離婚の多くの原因は、性格や価値観の違いや経済的な面など様々ですが、反対にそれらが合わなければ離婚をするため、結婚生活を続けている人たちは、本当に愛し合っているという裏付けでもあります。

もちろん経済的な面や子供の事も考えて、我慢して結婚生活を続ける人もいますが、昔に比べて「仮面夫婦」が減ったということが、離婚率から推測できるのです。

以前の日本は、女性の社会進出が難しく、また離婚をすると世間から冷ややかな目でみられるという、世間体もあって、相手が気に入らなくても結婚生活を続けなければならない「仮面夫婦」が多かったのではないでしょうか?

その証拠に、何十年も一緒に連れ添ってきた今になって、熟年離婚する夫婦も増えています。

離婚の選択肢がある自由主義

しかし現在は離婚の社会的認知も上がり、子供たちは両親に愛が無いのならば別れるという選択肢があるという姿を見て育つことになります。

子供にとって離婚は辛いものですし、いい影響を与えるわけではありませんが、少なくとも自分が大人になったら、離婚しないような相手と結婚生活をうまくやっていこう、しかしダメなら別れてもいいんだという自由主義的な発想が芽生えます。

お互いがギスギスして喧嘩ばかりしていたり、お互い無視したり悪口を言ったりする、仲の悪い両親の姿を見て育つのも子供の心には大きな負担があるのです。

気軽に離婚することを推奨する気はありませんが、どうしてもダメなら新しいパートナーを探したり、その後は1人で生きて行くという選択の自由が与えられれば、逆に独身にこだわったり、結婚に恐怖や不安を抱く人も減ってくるのではないでしょうか?

人間誰しも失敗する生き物です。失敗したら取り返しがつかない人生など、誰も送りたくはありません。

失敗してもやり直しがきく人生。

だからこそ、本当の愛に出逢った時に、素晴らしい夫婦として一緒に生きて行くという姿こそ、理想の結婚だと思います。