私の好きなイソップ童話に「北風と太陽」という寓話があります。

 

お見合いも恋愛も教育も人間関係も、この童話であてはまる場面は多いです。

イソップ童話「北風と太陽」

北風と太陽

ある日、北風と太陽がこんな話をしました。

 

「あそこに歩いている旅人のコートを、どちらが脱がせられるか勝負しよう!」

 

そこで北風は力いっぱい風を吹いて、無理矢理コートを脱がせようとします。

 

しかし旅人は、コートが飛ばないように必死に抑えます。

 

力いっぱい北風が拭けば拭くほど、旅人は必死に拒み、力いっぱいコートを握りしめます。

 

結局、北風は旅人のコートが脱がせません。

 

次は太陽の番です。

 

太陽が煌々と輝いて気温が上がると、一気にコートを抑える力は緩み、最後には暑くなって自分からコートを脱ぎました

世の中には北風タイプと太陽タイプがいる

世の中には、北風タイプと太陽タイプの人がいます。

 

力任せで人を変えようとするタイプと、暖かく見守ってやる気を出させるタイプです。

 

昔は学校の部活などでも北風タイプの監督が、檄を飛ばし、暴力で鍛えるのが当たり前のようにありました。

 

人間は恐怖や抑圧によって言う事を聞き、成長するという教育論です。

 

営業の世界でも、昔は北風のように強く押し売るタイプが、売り上げを上げている時代もありました。

 

営業成績が悪い社員には、灰皿を投げつけ、契約が取れないと夜中まで一般家庭を飛び込み営業させられたのです。

 

しかし最近はどんな世界でも、太陽タイプが優勢です。

 

強制的に何か要求したり、抑えつけたりするのは最終的に非効率なのです。

 

そして太陽のように、自らが意欲を持つような方法で、人を育てた方が効果がある事が分かってきたのです。

心理的リアクタンス

聞こえないふりをする男性

北風のように、自由を奪おうとすればするほど反発する人間の心理を、「心理的リアクタンス」と呼びます。

 

営業でも無理矢理売り込もうとすればするほど、相手は反発してガードが固くなるのです。

 

親に「ゲームをするな!〇〇君とは遊ぶな!勉強しろ!」などと命令されればされるほど、子供は反発したくなるのです。

 

これは当然、お見合いの世界でも同じなのです。

お見合いは焦り過ぎない

しつこい男

お見合いや婚活では、焦れば焦るほど、相手が引いてしまう事があります。

 

こちらが相手に好意を持った時に、焦ってグイグイ押しまくるのは危険です。

 

相手からすると、冷静に考えたい時に、グイグイ来られることで「ちょっと待って!」と拒否反応を起こしてしまう場合があるのです。

 

こちらに書いたように、変な恋愛駆け引きのテクニックで、押しまくった後にわざと引いて、相手の反応を見るような事は止めた方がいいでしょう。

 

しかし焦った態度を見せたり、「好きです」「付き合ってください」と何度も攻めすぎても危険です。

 

「もし何回も会ってしまったら、万が一の時に断れないな・・・」と思われてしまう事もあるのです。

 

もちろん向こうにも、好きという気持ちがある場合には問題ありません。

 

しかし、向こうがまだ決めかねていて、徐々にゆっくり進みたいと思っている場合は、いったん冷静な対応をしましょう。

 

冷静な対応に戻る事で、相手の心理的リアクタンスはなくなり、向こうも反発心なしであなたを判断してくれるのです。

 

「柔よく剛を制す」には続きがある

柔道をする子供

柔道の世界では「柔よく剛を制す」といいます。

 

硬くて強いものを、しなやかで柔軟なものが倒すことを言います。

 

これは北風と太陽の理論と同じです。

 

しかしこの言葉には、実は続きがあります。

 

それは「剛よく柔を断つ」です。

 

つまりそれぞれに良い部分はあるという事なのです。

 

 

例えば営業の世界では、相手の話を聞き上手の人が、成績が良かったりします。

 

しかし、ただの聞き上手のいい人だけでは、絶対に良い成績は残せません

 

北風のように、強く押すところは押すのです。

 

タイミングまでは柔軟に待って、ここぞという時に押す。

 

ボクシングの神様、モハメドアリは、このように表現されました。

「蝶のように舞い、蜂のように刺す」

 

やはり本当に強いのは、両方を兼ね備えたバランスを持っている人なのです。

 

結局、恋愛でもいつまでも太陽のままだと、進まない場合があります。

 

時が訪れたら、北風のように攻める事も必要なのです。

 

一番大切なのは、やはりバランスです。

 

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