会話に困ったら「木戸に立て掛けし衣食住」

「きどにたてかけし衣食住」という言葉を聞いたことがありますか?

営業の世界などで、お客様との会話のネタの頭文字をとった物です。

会話では、お互いの共通点を探り、興味が合う話をすることが大切です。

しかしいきなり深い部分を突っ込んでいくと、警戒されてしまう場合があります。

まずは誰もが持つ共通項の話題を抑えつつ、少しずつ相手の中を探っていきましょう。

き=季節、気候

当日の気候、最近の季節ネタなど、誰に対しても当たり障りのない話。まず最初の掴みとして老若男女問わず話しやすい話題。

例:今日は天気悪いですねえ・・・。来週からは晴れるみたいですけどね。

ど=道楽、趣味

自分の趣味などを話して、共通点を見つける。

例:私、休みはゴルフにちょいちょい行くのですが、ゴルフとかされますか?

に=ニュース

時事ネタ、芸能ネタも万人に当たり障りなくできる話。ただし政治の話は、あまり自己主張しないように。

例:オリンピックすごかったですね!卓球惜しかったですよね・・・。

た=旅

今まで行った旅行の話などをして、相手との共通点を見つけたり知識をシェアし合ったりする。旅行も万人がしたことがあったり興味ある事なので、共通点が見つけやすい。

例:この間、北海道旅行行きましてね、五稜郭からの景色はほんと良かったですよ。行かれたことあります?

て=テレビ

テレビ番組で観た知識というのは面白く、分かりやすく、披露しやすい。受け売りの話なので、自慢や嫌味に聞こえない。しかしあまりテレビの話ばかりすると暇人なのかと思われるので注意。

例:こないだテレビでアフリカのドキュメンタリーやってたんですけど、アフリカ人って視力が7.0あるらしいですよ!

か=家庭

自分の話をする分にはいいが、相手は話したくない場合もあるので注意。

特に最初のお見合い時は、あまり詮索するように聞かない方が良い。

自分をよく知ってもらうのには重要な話題。

お互い既婚者で子供がいる環境だと、子供や配偶者の話題などで盛り上がりやすい。

例:僕は元々は岐阜の生まれでして、父が昔からお店をやっているんです。兄が今3代目として継いでます。

け=健康

若い人には興味を持ってもらえないが、30代後半以降は誰もが気にし始める話題。

例:去年の検査結果で血糖値がだいぶ数字が悪くて・・・。水素風呂っていうのが抗酸化作用があっていいらしいので入ってますよ。

し=仕事

男性は特に、お互いのパーソナリティを知るために欠かせない話題。自分の話をするのはいいが、相手にあまり突っ込んで聞くのは失礼な場合もある。また、愚痴や自慢につながる場合もあるので注意。

例:私は保険の営業をやっています。〇〇さんは、どんなお仕事されているんですか?

衣=衣服

好みがあったり、興味の度合いがあるので、この中では共通項を探るのに最も難しい話題だが、ファッションに対しての意識が合えば盛り上がり、親密感が一気に増す。

女性の方が花が咲く話題。また、相手の衣服や小物などを褒めることで、相手のセンスを認めることになり、とても喜ばれる事が多い。

例:そのブラウスかわいいですね!すごい似合う。

食=食べ物、グルメ

美味しい物の話題も、誰もが興味ある事。テレビなどでもグルメの視聴率はいつの時代も高い。

異性との会話の場合、デートを誘うのに使いやすい。

しかし一歩間違えると自慢話に聞こえる可能性がある。相手の目線に合わせて話すことが重要。

例:こないだ西梅田にある鉄板焼き行ったんですけどね、平日なのに満席で、何とか並んで食べれたんですけど、本当おいしいんですよ!値段もそこそこ安いんです。今度一緒に行きましょうよ!

住=住居

住んでいる場所、近隣の環境、地元の特性などの話。これも自分を知ってもらうのに重要な話題。

相手の地域について、少しでもマイナスな特徴やイメージを言うと、相手に対する嫌味や侮辱に聞こえる場合もある。

その位、住んでいる地域と自分のパーソナリティがリンクしている人も多いので注意。

女性はあまり土地に対する興味などがない方が多いので、話し過ぎないよう相手の反応をよく見ながら話すと良い。

メラビアンの法則

メラビアンの法則とは、アメリカUCLA大学の心理学者アルバート・メラビアンが提唱した法則です。

初対面の人との会話の印象は言語情報7%(話の内容そのもの)、聴覚情報38%(声の質、トーン、早さ、大きさ、口調など)、視覚情報55%(表情、視線、ジェスチャー、しぐさなど)となり、話の内容よりも声の調子や表情などの方が影響を与えるそうなのです。

この実験では、「明るい調子で否定的な事を言う」「淡々と低調に喜ぶ」という矛盾した内容に対して、どの情報を優先するかという実験のため、一概に話の内容が7%しかないとは言えません。

しかし、いずれにせよ聴覚情報、視覚情報という要素も、大きな影響を与えているのです。

緊張しがちな人は、「あれをしゃべろう、これをしゃべろう」と、一文字たがえず暗記しようとします。

それで、「あの話が抜けたらどうしよう」などと完璧主義的に考えてしまい、緊張してしまうのです。

話の内容は「木戸に立て掛けし衣食住」と、ネタの頭文字だけ覚えておけばいいのです。

リラックスすすればするほど、これらの頭文字から会話はいくつも生まれますし、そのリラックスした態度が相手に安心感を与えることでしょう。